【船乗りの日記】


海を渡る一掃の船

ぼくだけを、のせたその船

一人用なのに、ただっぴろくてなんだかさみしい時もある

それに

壊れたところから水が入るんだ

それはもうわかっているんだよ

たまたまいく道が一緒の人が隣に並ぶ

同じ方向を見ている人がいる

触れてきたモノが似ている人がいる

遠くのどこかに自分と似たような道のりを過ごしてきた、仲間がいる。

そのことを夜の花火で知り、それだけで勇気が沸き起こったり、心が安らいで見えたりする

心に火が燈るようだ

夜中の航海が一気に明るくなる

そんな出会いがある

するどどういうわけか

歌いたくなり、踊りたくなるんだ

あまりに嬉しいからハイタッチでもしたくなる気分になるんだよ

笑いあっていたくなるんだよ

ハリネズミのような棘だらけの服はとうに捨てたんだ

そんなくだらないことなんてする必要あるかよってね

ずいぶん前に気づいたのだよ

自分を守る為の棘が相手の心を破く

そんなことだらけだろう

裸で笑いあってればそれでいいんだ

その記憶が行く先の道のりを支えてくれるから

ぼくは知っているんだ

この海で出会う人は昔からの仲間であるということを

膨大な時間の中でいくつも生まれ変わりいくつもの出会いが僕らの魂には刻まれているということを

そんな漠然としたレキシがぼくらの魂にはあるのだということを

そのことを思い巡らしてごらんよ

ぼくらには魂の記憶があるんだ

天の上にいた頃のあの、

先に降りて行った仲間に会いにいく感覚

ぼくらは魂で全て友人だったということも

ぼくは知っているんだ

こんなだだっ広い海で一人読書をしている時だってぼくらは繋がってる

朝はまだいいんだ

かもめがくるから

たまに来る夜のどうしようもなくひとりを感じる時に

灯りを燈して話し合う人がいたりする

そのありがたさに

涙が出てしまう夜もある

わたしは一人ではないのだと

魂が震えている

海を渡る一掃の船

みんなどこかで似たようなもんだ。

海とはなんだろう。

海とは音楽なのではないか、

波があり、リズムがあり、静かにも、騒がしくもなる。

それにぼくらの存在をまずはじめに当然かのように許している。

深い。

それと、音楽は海よりも深い。

音楽を聴くモノは音楽に許されているのだ

あなたはあなただ。と。

音楽を奏でるモノはそこをベースに味を付けているのような気がする

まずはじめに許しているから生まれてくるんだよなぁと。

そこから入らないとなんだかさみしいなぁと。

魂が、海が、地球が、宇宙が、

ぼくらはより大きな存在に許されている

あなたの存在はもうずっとずっとずっと許されている

音楽はずっとずっとずっと寄り添う仲間であろう

癒し励まし元気づけたり勇気づけるだけではない

魂を震わせる

心に染み入るようにじわじわ伝えにきてくれる

そんな音楽に出会う

そんなソウルフルでハートフルな出会いがあることをぼくはこの海で知った。

願わくは、あなたの魂に、あなたにちょうど良い音楽と、人の創り出す、どんなあなたをも、全面的に肯定し、許してくれている人や作品にたくさんたくさん出会うことを船の上からお祈りしております。

人はもはやアーティストだ。

人が人を創っている。

中でも人を育てることは最高芸術だ。

全てのパパやママ、大人はみんなどこかで知らず知らずに芸術家なんだ。

ぼくらは作品であり、アーティストでもある。

あなたはどんな人を創るだろう。

あなたはどんな人に創られてきたのだろう。

あなたのルーツを知りたい人もきっといるし、出てくることだろう。

あなたの魂の足跡と共に、誰がどうあなたへ働きかけたのか、

そういう話も時にはしてみようよ

ぼくのルーツはぼくの詩にふんだんにちりばめられている

この詩を読むあなたとはどこかで出会っているかもしれない

やぁ元気にしてたかい?

とか、もしかしたらそういう気分でぼくらの魂はいるかもしれない。

だから不思議なことだらけなんだ。きっと。

やぁ、元気にしてたかい?



要 蓮

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